マイナスイオンっていう言葉はもはや皆知っていますよね。家電製品なんかをよく買う人は、マイナスイオンを謳った製品をよく見かけることでしょう。でも、それって本当に効果あるんですかね。正直あんまり効果なさそうで怖くないですか。
この記事ではそんなマイナスイオンの効果についてみていきたいと思う。
マイナスイオンとは
マイナスイオンは体に良いとか自然のあるところに湧いているとかいったイメージがあるけど、それってそもそもなんなんだろうか。Wikipediaにはこんな風に書いてある。
大気中に存在する負の電荷を帯びた分子の集合体である。主に空気中の過剰電子によりイオン化した大気分子の陰イオンを表す用語である。大気電気学では、健康問題に関する際に負イオンをこのように呼ぶ
普段は聞かないようなこのマイナスイオンという言葉が皆知っているなんてなんか不思議ですね。どうやらこのマイナスイオンのブームのきっかけは1999年から2002年にかけて放送された番組「発掘!あるある大辞典」みたいです。テレビの影響で皆知るようになったのかもしれないですね。
マイナスイオンの効果
気になるのはマイナスイオンの効果だけど、軽傷の動脈硬化に対し発作が減ったりといった効果があるといった研究も出ているみたいです。
1930年代にはいくつか例をあげれば、軽症の動脈硬化症に対し発作が減り血圧と脈拍が降下する、特に肺結核に対する諸疾患に対して陰イオンが病気に対する抵抗を高める、陰イオンは喘息患者79例中32例が快癒13例が軽癒19例はやや軽快13例は変化なしで陽イオンは疲労感を訴えさせたといった研究論文がある。
マイナスイオンのことを調べれば、その効果やそれを謳った製品なんかが出てくるけど、実際のところどうなんだろうなあ・・・といった部分もある。実際にニセ科学とか未科学とする主張もあったりして、完全に効果があるとは言い切れないですね。
家電の実験データはあるらしいが・・・
家電にマイナスイオンを謳ったものって多いですよね。2003年の家電メーカー各社からの回答によれば、14社中8社が自社製品の実験データありとしているようだけど、ネットからその情報見れないですね・・どこからか見れるのだろうか。
実態として効果のわからないものは多い
マイナスイオンを謳った商品の実態という論文にも書かれているけど、マイナスイオンという言葉は聞いたことあるけど、実感として効果がわからないといった人が相当数いたらしい。
東京、神奈川の 1000 名の消費者にアンケート調査を実施したそうで結果は以下のようになったらしい。
効果の有無については、「効果があった」(31 回答)と「ややあった」(51 回答)の合計が 82 回答(43.2%)。 これに対して、効果が「ほとんどなかった」(13 回答)、「なかった」(8 回答)、「分 からない」(87 回答)の合計が 108 回答(56.8%)であった。
だいたい効果があったと思っている人と効果がないと思っている人で半々ですね。ただ、効果があったと回答した人に具体的にどんな効果があったのかといった質問はされていないので、詳しくはわからない。ただ、効果があったといった人もそれなりの割合いることを考えると、効果がないとは言い切れないですね。
論文からみるマイナスイオンの効果
効果があるのかわからないなら、色々研究を見てみるしかないではないですか。効果ないのに使うなんて嫌だしね。
マイナスイオンはストレスを軽減させる?
タイマー設定により自動的に夜間AM1:00~AM6:00の5時間マイナスイオンが発生する気化+放電式発生器を3台作成し,健常人ボランティアの自宅の寝室に設置した。マイナスイオン発生有無の順序を3週間ずつ二重盲検で入替え暴露した。対象」は,10例で男性9例,女性1例である。その年齢は29~51歳であった。
いくつか検証項目があったけど、効果のあった結果は以下。具体的な数値等が気になれば論文を見てみるといいですよ。
- イオン暴露群がイオン非暴露群より有意に良好であるアンケート項目が4項目に認められた。
- イオン暴露群は,名称想起試験による発汗量が少なく,イオンが交感神経緊張を減少させ,ストレスを軽減させる傾向が示された。
結果を見てみると効果なくはなさそうですね。
マイナスイオンは脳波にも影響を与える?
マイナスイオンのある空間とない空間で被験者を2時間滞在させ、脳波計を用いて脳表面の電気活動を記録したっていう実験がある。
脳波では,α波の割合の平均値に注目すると,特にα2波(10Hz~12.75Hz)ではマイナスイオンが有る群がマイナスイオンがない群より比較的高値を維持した
α波が増加する傾向が見られたということだけど、統計学的優位性に至っていないと書かれています。確実に効果があるとは言えなそうですね。ただ、こんなことも書かれているぞ。
自覚的感覚スケールは,快適と答えたものがマイナスイオンの有る場合で40%と,マイナスイオンのない場合27%より高率でした。不快と答えた例はマイナスイオンのある場合で7%(15例中1例)とマイナスイオンのない場合27%(15例中4例)より低率であった。自覚症状の検討にて,被検者がマイナスイオンの有無を知らずにこのような結果を得たことは,マイナスイオンが快適性に作用することが示された
マイナスイオンの有無を知らず見マイナスイオンがあった場合は快適だと答えたのは興味深いですね。こういう結果を見ると少しは効果もあるかもしれない。
マイナスイオンの効果は懐疑
いろいろ情報を見てきたけど、マイナスイオンの効果はなんとも言えない・・・効果があるといっているものはアンケートの結果だし、それが統計的に効果のあるものだとは言われていない。
マイナスイオンを謳った製品には目を惹かれるけど、それに効果が本当にあるのかどうかはちゃんと自分で調べてみたほうがいいかもね。まあ、効果があると思って使えば、効果が本当に出るかもしれないけど笑プラシーボ効果の力ってすごいですから。