眼精疲労の対策を論文から読み解く

普段からスマホやパソコンをいじっている人は目の疲労感に悩まされているのはないでしょうか。自分もよくいじったりするので目の疲労は毎日のように感じています。時には頭が痛くなったりすることもしばしばです。あの状態は本当に辛いですよね。できることなら避けたいところ。

もしかしたらそんな苦痛もパソコンの作業環境を変えることによって改善させることができるかもしれません。今回は、パソコン作業による眼精疲労対策についてです。

眼精疲労を防ぐには

早速論文から眼精疲労を和らげる方法を探っていきましょう。

適度な休憩を入れる

Mourantら15)はVDT作業の一連続作業時間が2~3時間にも及ぶと眼球運動および調節機能の変動に表現される視機能系の疲労を引き起こし,1時間の休憩を導入することによつて顕著な回復が図られると報告している.さらに,NYCOSH16)(TheNewYorkCommitteeforOccupationalSafetyandHealth,Inc.)は,視覚疲労を誘発しない適正作業時間の配分として1時間の連続作業後に15分間の休憩を導入あるいは一連続作業時間を2時間とし,その後30分間の休憩を設ける方式を提示している.さらにこの作業指示書によれば,一連続作業時間の最大許容限度は2時間と記述されている.一方,RohmertとLuczak17)は25分の作業時間と5分間の休憩または100分の作業時間と20分間の休憩という作業時間配分に比較して50分間の一連続作業時間,その後10分間の休憩を導入する作業編成が適正であると報告している.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/joh1959/26/2/26_2_105/_pdf/-char/ja

上記によるとやはり一定時間後に適度な休憩入れなければならない。改定あることを箇条書きするとこんな感じ。

  • 1時間の作業後15分の休憩を取る
  • 2時間の作業後30分の休憩を取る
  • 1連続作業時間の最大許容限度は2時間
  • 50分間の作業時間後、10分間の休憩を入れる

説は色々あるけど、1時間作業したら休憩を入れるのが良さそうです。そして、2時間が最大許容限度なので、それ以上の連続しての作業はやめておきましょう。

緑を取り入れる

何をみるかで目の疲れがどれほど回復するかという研究がある。実験内容としては、パソコンを被験者に使わせ、作業後に緑をみることによってどれぐらい視覚疲労が緩和されるかというもの。

大学の研究室内に置かれているパーソナルコンピュータを用い,学生を被験者として一定時間のVDT作業を行わせ,その後,緑を見せる・見せないなど6種類の視覚刺激を与え,VDT作業前と,作業終了後5分間,所定の視覚刺激を与えてから,視覚疲労,あるいは大脳皮質の活動水準の一指標となるフリッカー値(臨界融合頻度)を測定し,VDT作業の後,緑を見ることによって視覚疲労が緩和されるのか,さらには模造品の緑によっても同様の効果が得られるのかなどを実験的に検証した。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jila1934/52/5/52_5_139/_pdf/-char/ja

  • 無刺激条件・・・VDT作業を行わせた部屋で何もさせずに5分間休ませる
  • 模造品の緑・・・VDT作業を行わせた室の隣室に置いてある模造品の緑を注視させる
  • 鉢植えの樹木・・・VDT作業を行わせた室の隣室に置いてある鉢植えの樹木を注視させる
  • 遠景のビル群・・・VDT作業を行わせた室の階上が屋上であり、そこから遠景のビル群を注視させる。
  • 遠景の樹林・・・VDT作業をおこわなわせ室の屋上から眼下に広がる樹林を注視させる
  • 芝生地・・・VDT作業を行わせた屋上にある芝生地を注視させる。

この結果どうなったかというと、緑をみる効果はあったようだ。

視覚疲労の一指標となるフリッカー値の低下率(被験者15名の平均値)は,芝生を見せた場合は1.23%,遠景の樹林を見せた場合は3.00%,鉢植の樹木を見せた場合は3.03%,遠景のビル群を見せた場合は3.86%,模造品の緑を見せた場合は4.73%,無刺激条件下(何もしない場合)では5.80%であった。また,計6時間のVDT作業の間に1時間ごと5分間ずつ断続的に視覚刺激を提示した実験(被験者1名に限定)でも全く同様の結果が得られた。つまり,この順序で視覚疲労の回復が大であることが判明した。以上のことから,そのメカニズムについては十分説明しきれないが,パーソナルコンピュータによるVDT作業の後,植物体の緑を見ることによって,何もしない場合,あるいは模造品の緑を見ることに比べて視覚疲労が明らかに軽減,回復されることが実証された。

 

  • 芝生を見せた場合は1.23%,
  • 遠景の樹林を見せた場合は3.00%,
  • 鉢植の樹木を見せた場合は3.03%
  • 遠景のビル群を見せた場合は3.86%
  • 模造品の緑を見せた場合は4.73%
  • 無刺激条件下(何もしない場合)では5.80%

結果としては芝生を見た場合の結果が一番良い。部屋に緑がない人は緑を置いた方が良いだろう。

フリッカー値というのは以下のもの。

疲労に伴うフリッカー値の変化は、視覚系の時間分解能の低下を表すと考えられ、大脳皮質の機能低下を反映していると考えられています

http://www.fhm.co.jp/fhm/fhmsystem.html

どの値がどれぐらいなのかっていうのか以下の記事に書いてあるので、みてみるといいかもしれないです。

<フリッカー測定値>
測定側 fp(Hz)
正常 正常値       40~50
下限            35
精査を要するもの    26~34
異常            25以下

https://www.cc.miyazaki-u.ac.jp/mitarai/room707/furika001.html

観葉植物を見ること

上で植物を見ることによる効果はこんな結果もある。VDT作業に観葉植物がどんな効果を与えるのかを調べた実験。

  • VDT作業中に植物を見ることによって,視覚疲労が緩和される
  • VDT作業後に植物を見ることによって,視覚疲労が回復する
  • 視覚疲労の緩和・回復効果は,マッサンギアナが最も大きい

実験で使われた植物は、カポック・マッサンギアナ・ゴールドクレストだったけどマッサンギアナが最も効果が高かったみたいですね。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshita1991/7/3/7_3_138/_pdf/-char/ja

ビタミンB12を摂取する

ビタミンB12を摂取することによる効果もありそう。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jje1965/19/2/19_2_87/_pdf/-char/ja

この実験で使われたのが、エーザイのメチコバールっていうビタミンB12含有のもので3,000μgを1週間にわたりあらか じめ投与したということです。3,000μgっていうのは3000マイクログラムで0.003グラムですね。

 

ディスプレイの高さ・足台

この論文難しいですが、ディスプレイの高さや足台をどのように設置すれば良いかなどが書かれています。作業環境を最適化させたいならば読んでみるといいでしょう。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jje1965/23/3/23_3_155/_pdf/-char/ja

画面の色

広島大学の学生を対象にディスプレイの文字色と背景色の組み合わせでVDT作業によってどの程度影響が現れるかという実験。

パソコンの画面の色を初期設定のまま使っていてはあまり良くない。

パソコン出荷時にセットされているデフォルト設定の組合せによっては、視力、首・肩・全身の凝りやだるさ、眠気や気分変調を催すことなど、いくつかの影響の出ることが見出された。

http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/1/16038/20141218144304413682/KJ00000053529.pdf

使うときには、自ら画面の色を設定した方が体に優しいですね。無彩色や青系統の色彩では、錐体と桿体の両者による知覚が可能であり、眼の負担を確実に減少できると考えられる。

あと、画面の色が適切でも疲れは必ず出るから、休憩ははさんだほうが良いということです。

米国眼科学会の記事

アメリカの眼科学会の記事を見てみるとこんなことが書いてあります。

 

  • コンピュータの画面から、およそ25インチ、または腕の長さを座ります。あなたの視線がやや下向きになるようにスクリーンを配置します。
  • 多くのデバイスは現在、かなりのグレアとガラススクリーンを持っています。必要に応じてマットスクリーンフィルターを使用して眩しさを軽減します。
  • 「20-20-20」のルールを使用して定期的に休憩を取る:20分ごとに、少なくとも20秒間、少なくとも20フィート離れた対象物を見るためにあなたの目を移します。
  • 彼らは、乾燥感じるときあなたの目をリフレッシュするために人工涙液を使用してください。加湿器を使用することを検討してください。
  • スクリーンは、周囲の光よりもはるかに明るい場合には、あなたの目は見るために懸命に働く必要があります。お部屋の照明を調整し、目の疲れを軽減するために、画面のコントラストを大きくしてみてください。

https://www.aao.org/eye-health/tips-prevention/computer-usage

やはりパソコン作業する時の姿勢は大事のようですね。椅子の高さや距離に悩んでいる人はこれを参考にしてみるといいかもしれません。

鰹節出汁をとる

鰹節に効果があるかもしれないなんていう論文もありますね。興味があれば読んでみるといいでしょう。

鰹節だし摂取により「眼が疲れる」「眼がかすむ」「涙が出る」「眼が赤くなる」が改善される傾向を示した

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/53/8/53_8_443/_pdf/-char/ja

まとめ

少しまとめると、眼精疲労対策には以下のことを考えると良さそうです。

  • 適度な休憩
  • 観葉植物を見る
  • ビタミンB12を摂取する
  • 画面の色を適切に設定する
  • パソコンとの距離を考える
  • 鰹節出汁をとる

それぞれの詳細についてはこの記事で参照している論文を読んでみると良いと思います。まあちょっと読むのは面倒ですけどね。