風邪予防につけるマスクの意味なんてないかもよ?

冬になれば、マスクをしている人をよく見かけますよね。電車通学・通勤している人は電車の中で毎日のように見かけるのではないでしょうか。でもみんながつけているマスクの効果って本当にあるんですかね。確かに鼻も口も覆っていれば、なんか色々防いでくれそうな感じがしますけどね。

今回はこのマスクの効果について見ていきたいと思う。

マスクの効果とは

マスクをつける意味はなんとなくわかっているけど、一旦確かめてみる。

風邪やインフルエンザ患者は1回の咳で約10万個、1回のくしゃみで約200万個のウイルスを放出すると言われています。そこで、患者がマスクをつけることでこれらを含んだしぶきによる周囲の汚染を減少させることができるのです。

マスクの効果と正しい使用方法

1回のくしゃみで約200万個のウイルスってすごいですね。電車の中でくしゃみする人が何人もいたらどれほどのウイルスが撒き散らしてしているんでしょうか。いやー気持ち悪いですね、もう冬の電車なんかには乗りたくないです。マスクの効果としては、つけることで周囲への汚染を減少させることができると。でもこれは患者がマスクをつけている場合。

風邪にはかかっていないけど、予防のためにつけるマスクに意味はあるのだろうか。

マスクとの間に隙間がありウイルスを含んだ飛沫の吸入を100%防ぐことはできません。また、ウイルス自体の粒子径は0.1~0.2μmですが、咳やくしゃみではウイルスに水分やほこりが付着し粒子径は5μm以上とやや大きくなるためすぐに短い距離に落下し、空間をただようことはないからです。

なるほど、ウイルスは短い距離で落下して空間を漂うことはないようですね。咳やくしゃみで放たれたウイルスは空間を漂っているイメージがあったけどちょっと違うようです。空間を漂うことがないなら患者の近くにいないのならば、マスクの効果ってどうなんでしょう。

風邪やインフルエンザ患者の近くで看病するなど咳やくしゃみのしぶきを直接あびる可能性がある場合には予防効果があると考えられます。

近くで接するなら効果はあるそうですね。この予防効果が有効は範囲が気になりますね。

日常的なマスク着用による感染予防効果について

マスク着用に感染予防効果があるのかということが記された論文がある。

日常的なマスク着用による感染予防効果について

この論文にはいくつかの実験結果が書かれいるからちょっと書いていくとこんな感じ。

フランスで行われた検証

2008年から2009年のフランスで行われた検証。結果としては、マスク着用による感染予防効果は認められなかったということだ。

2008~2009年のフランスにお けるインフルエンザ流行時期(フランスにおいてサーベイランスシステムに報告されるインフルエンザ様疾患の国内発生率が算出閾値を 超えた期間)に行われました 1)。インフルエンザ診断テスト陽性となり、48 時間症状が続いている患者のいる家族を対象として、マスク着用群とコントロール群に分け、マスク着用群では発症者が他の家族と同じ部屋や限られた空間(車の中など)にいる場合にマスクを着用することを5日間実施しました。その結果、調査 期間中に家族がインフルエンザ様症状を示した割合は、マスク着用群は16.2%、コントロー ル群は 15.8%で有意差はなく、マスク着用による感染予防効果は認められませんでした。

インフルエンザに家族内の誰かがなった時にはマスクをすることは多いと思うけど、意味ないのか・・・

日本におけるマスクの感染予防効果検証

日本でもマスクの効果があるかどうか検証されたものがある。

日本において、医療従事者を対象にマスク 着用の有無による感染予防効果を調べた報告として、医療従事者 32 名をマスク着用群 17 名、非着用群 15 名に分けて 77 日間、咽 頭痛、鼻水、咳など風邪症状を記録する調査が行われました 2)。調査期間中、マスク着用 群は病院において業務中はサージカルマスクを着用し、非着用群は手術室での業務など仕事上の義務として着用が必要な場合を除き、マスクの着用は控えました。結果として、マスク着用群では頭痛や気分が悪いと感じる傾向 が示されましたが、風邪症状の重症度に有意 な違いはなく、風邪症状を有した平均日数は マスク着用群が 16.1±13.6 日、非着用群が 14.2±14.1 日と統計的な有意差は見られなかったと報告されています。

マスク着用軍と非着用軍で統計的な有意差は見られなかったと。サージカルマスクっていう言葉が出てくるけど、これは医療現場や医療時に使用されるマスクです。医者がつけているマスクのイメージですね。(飛沫感染予防策としてのサージカルマスク)

この検証で使われたマスクはサージカルマスクみたいだけど、そのマスクを使ってもしない場合と比べて有意差がなかったっていうのはなんかすごいですね。医療の現場で使われているマスクって効果抜群なイメージあるけど、そうでもないのか。

サージカルマスクの効果

このサージカルマスクについても効果があるのかっていうのが記されているね。

サージカルマスクのインフルエンザ流行時の感染予防効果について、感染制御実践看護師の所属する施設を対象として 2016~2017 年流行 時(2017 年 3 月 31 日まで)を調査期間としたアンケート調査が実施されました 3)。111 施 設中 71 施設から回答があり、調査期間中、アウトブレイクがあった施設は 55 施設で、調査では①サージカルマスク着用の病院規定の有 無、②サージカルマスクの着用対象者、③サ ージカルマスク着用場面、④サージカルマスク 着用の実施期間のそれぞれについてアウトブ レイク発生状況の解析が行われました。その結果、すべての項目においてアウトブレイク発生数との有意差は認められず、サージカルマスク着用を義務付けただけでは有効な予防効果はなかったと報告されており、多元的な対策効果を検討する必要があります。

サージカルマスク着用を義務付けただけでは有効な予防効果はなかったということですね。やっぱりサージカルマスクでも効果は期待できなそう。

予防のためのマスクは効果がなさそう

色々見てきたけど、マスクを予防の意味でつける意味はなさそうですね。皆が当たり前のようにマスクをしている風景があるけど、あの光景はなんの意味もないのかもしれない。うーん、今までマスクしていたのはなんだったんだろう・・・

マスクするなら発症者

最初にマスクの効果についてちょっと書いたけど、そこにも書いてある通りマスクは発症者がするべきなんでしょうね。それによってウイルスが飛ぶのを抑えられる可能性がある。マスクしていてもくしゃみする時にはマスク外してしたくなっちゃうけど、あれだと意味がなくなってしまうから発症している時にはマスク常時着用でウイルスを撒き散らさないようにした方が良いですね。

発症者がマスクを使用するのは推奨

インフルエンザの予防に関しての以下の論文でもやっぱり発症者のマスクの使用は推奨されている。

パンデミックインフルエンザ予防のための地域社会伝播軽減ガイドライン, 米国, 2017

(2)マスクの使用
・症状がある場合のマスクの使用
医療機関を受診するなどの理由で人の集まる場所に行く場合や他の方と密接に接触する場合(家族と同じ部屋にいる場合、産後の女性が幼児の世話をする場合など)において、深刻なインフルエンザパンデミック期間に症状がある方はマスクを使用することが推奨されている。

・症状が無い場合のマスクの使用
インフルエンザのパンデミック期間であっても特別なハイリスクの状況に無い限り感染を避ける目的で症状のない方が日常的にマスクを使用することは推奨されていない。しかしながら深刻なパンデミック期間において、パンデミックワクチンが利用できず人混みを避けられない場合、妊婦やその他インフルエンザ合併症のハイリスク者はマスクを使用しても良い。さらに自宅で症状を有する家族をケアする人についても、密接な接触がある時に感染を防ぐ目的でマスクを使用しても良い。症状のない方のマスクの使用は汚染された環境表面に触れた後に手が鼻に触れてしまうことなどの自己接種の機会を減少させる可能性がある。

なるほど、マスクに効果が期待できないとしても以下のような効果は期待できるかもしれない。

症状のない方のマスクの使用は汚染された環境表面に触れた後に手が鼻に触れてしまうことなどの自己接種の機会を減少させる可能性がある。

発症者以外のマスク使用に効果は期待できないようだ

まあ見てきた感じ症状の発症者以外のマスクの使用は効果がなさそうですね。手が鼻に触れないようにするといった意味はありそうですけどね。今までしていたマスクはなんだったんだろうなあ・・・もうおしゃれでマスクつけるしかないじゃないですか。